10年近く前にこの映画を劇場公開で見た時は、とにかくセックス・シーンが多かったことだけを覚えていましたが、見直してみて気がついたのは、きちんと意味のあるセックスを描いた映画だったんだなということです。
この映画でふんだんに出てくるセックスは、深い愛情の表現と手放しでは言えず、かといって抑制のきかない性欲の際限のないはけ口だと一刀両断できるものでもありません。むしろ心の孤独を埋め合わせるために切ないほどに求められるという性格のものです。ホセ・ルイスが恋人シルビアに拒まれて彼女の母親カルメンと情を交わそうとしたり、息子が思い通りにならない淋しさから母親のコンチータが、息子たちを別れさせるために雇ったラウルに溺れてしまったりします。彼らのこうしたセックスが象徴している人間のもどかしさや脆さにどことなく心が添う思いがします。
しかしこの映画はそうしたテーマを痛ましいだけの物語には終わらせず、独特のユーモアにくるんで見せてくれています。
また、物語に散りばめられる小道具はトルティーリャ、闘牛、ハモン、パエーリャとまさにスペインを象徴するものばかりです。そんな異国情緒もこの映画を粋な映画に仕立て上げる上で与って力があるのではないでしょうか。
子供に見せるのはさすがに憚られるけれども、大人の鑑賞には十分堪えられる秀作だといえます。 ]]>
10年近く前にこの映画を劇場公開で見た時は、とにかくセックス・シーンが多かったことだけを覚えていましたが、見直してみて気がついたのは、きちんと意味のあるセックスを描いた映画だったんだなということです。
この映画でふんだんに出てくるセックスは、深い愛情の表現と手放しでは言えず、かといって抑制のきかない性欲の際限のないはけ口だと一刀両断できるものでもありません。むしろ心の孤独を埋め合わせるために切ないほどに求められるという性格のものです。ホセ・ルイスが恋人シルビアに拒まれて彼女の母親カルメンと情を交わそうとしたり、息子が思い通りにならない淋しさから母親のコンチータが、息子たちを別れさせるために雇ったラウルに溺れてしまったりします。彼らのこうしたセックスが象徴している人間のもどかしさや脆さにどことなく心が添う思いがします。
しかしこの映画はそうしたテーマを痛ましいだけの物語には終わらせず、独特のユーモアにくるんで見せてくれています。
また、物語に散りばめられる小道具はトルティーリャ、闘牛、ハモン、パエーリャとまさにスペインを象徴するものばかりです。そんな異国情緒もこの映画を粋な映画に仕立て上げる上で与って力があるのではないでしょうか。
子供に見せるのはさすがに憚られるけれども、大人の鑑賞には十分堪えられる秀作だといえます。 ]]>